iOSでカレンダービューを簡単に表示するライブラリ
iOSでアプリを作るとき、標準で用意されているパーツが良くできているので、それだけを使ってもそれなりに綺麗なアプリケーションができあがる。
でも、カレンダーを表示するとなると Xcode の InterfaceBuilder でパーツを探しても見つからない…。
というわけで、自前で作るのは大変そうだったので今までは Si-Calendar というライブラリを使っていたのだけど、新しく見つけた TimesSquare というライブラリも良い感じなので使い方を簡単にメモ。
TimesSquareのダウンロード
TimesSquare は以下から入手可能。
簡単な紹介は上のリンク先を参照。
コードのダウンロードは GitHub から。
TimesSquareのカレンダーのデモを動かしてみる
GitHub からダウンロードした「objc-TimesSquare-master」フォルダには、ライブラリ本体の「TimesSquare」フォルダと、サンプル(テスト)アプリの入っている「TimesSquareTestApp」フォルダがある。
この「TimesSquareTestApp」フォルダの中の「TimesSquareTestApp.xcodeproj」をダブルクリックして、Xcode でプロジェクトを開く。
後はそのままシミュレータなり実機で実行すればカレンダーを表示することができる。
ちなみに、自分は最初に古いバージョンの Xcode 4.5(4G182) で起動しちゃったのだけど、その際にはサンプルはこんなエラーを吐いて止まってしまった…。
headerLabels[ordinality - 1] = label;
headerLabels は NSArray で、ordinality は NSInteger、label は UILabel。
Objective-Cって今こんな書き方できたんだっけ???
もちろん、最新(から1つ前になるのかな?)の Xcode 4.5.2(4G2008a) では問題なく起動できるのだけど。
TimesSquareの表示を少しいぢってみる
このままでも十分良い感じなのだけど、ちょこっと表示部分をいぢってみた。
ソースコードにカスタマイズの方法が書いてあるので、それに従って今回は曜日表示の「日曜日」を「赤」、「土曜日」を「青」にしてみた。
修正したのは曜日を表示するコードの部分と、バックグラウンドの絵に赤と青を加えただけ。
絵の方は特に説明は必要ないので、曜日を表示する部分のカスタマイズについて簡単に説明。
曜日を表示する部分はライブラリの「TSQCalendarMonthHeaderCell」が行っている。
で、ライブラリの「TSQCalendarMonthHeaderCell.h」に表示をカスタマイズしたければ「TSQCalendarMonthHeaderCell」のサブクラスを作って「- (void)createHeaderLabels」をオーバーライドしろってある。
というわけで、今回は「TSQCalendarMonthHeaderCell」のサブクラス「ColoredTSQCalendarMonthHeaderCell」を作って曜日の表示部分に色を付けてみた。
コードはこんな感じ。
- (void)createHeaderLabels; { NSDate *referenceDate = [NSDate dateWithTimeIntervalSinceReferenceDate:0]; NSDateComponents *offset = [NSDateComponents new]; offset.day = 1; NSMutableArray *headerLabels = [NSMutableArray arrayWithCapacity:self.daysInWeek]; NSDateFormatter *dayFormatter = [NSDateFormatter new]; dayFormatter.calendar = self.calendar; dayFormatter.dateFormat = @"cccccc"; for (NSUInteger index = 0; index < self.daysInWeek; index++) { [headerLabels addObject:@""]; } for (NSUInteger index = 0; index < self.daysInWeek; index++) { NSInteger ordinality = [self.calendar ordinalityOfUnit:NSDayCalendarUnit inUnit:NSWeekCalendarUnit forDate:referenceDate]; UILabel *label = [[UILabel alloc] initWithFrame:self.frame]; label.textAlignment = UITextAlignmentCenter; label.text = [dayFormatter stringFromDate:referenceDate]; label.font = [UIFont boldSystemFontOfSize:12.f]; label.backgroundColor = self.backgroundColor; if (index==6) { label.textColor = [UIColor redColor]; } else if (index==5) { label.textColor = [UIColor blueColor]; } else { label.textColor = self.textColor; } label.shadowColor = [UIColor whiteColor]; label.shadowOffset = self.shadowOffset; [label sizeToFit]; headerLabels[ordinality - 1] = label; [self.contentView addSubview:label]; referenceDate = [self.calendar dateByAddingComponents:offset toDate:referenceDate options:0]; } self.headerLabels = headerLabels; self.textLabel.textAlignment = UITextAlignmentCenter; self.textLabel.textColor = self.textColor; self.textLabel.shadowColor = [UIColor whiteColor]; self.textLabel.shadowOffset = self.shadowOffset; }
やっていることは簡単。
ラベルの色をセットする際に「日曜日(index==6)」か「土曜日(index==5)」ならそれぞれ色を「赤」と「青」にしているだけ。
簡単!
で、後は「TSQCalendarView」の「headerCellClass」に「ColoredTSQCalendarMonthHeaderCell」をセットするだけ。
これは「TSQTAViewController.m」の最初の方でこんな感じに。
- (void)loadView; { TSQCalendarView *calendarView = [[TSQCalendarView alloc] init]; calendarView.calendar = self.calendar; calendarView.rowCellClass = [TSQTACalendarRowCell class]; calendarView.headerCellClass = [ColoredTSQCalendarMonthHeaderCell class]; calendarView.firstDate = [NSDate date];
これで「TimesSquareTestApp」を起動すると曜日の表示部分で日曜日が赤、土曜日が青になる。
最後に
TimesSquare を使うと簡単にカレンダー表示を行うことができる!
ライブラリの中身もそんなに難しいことをごにょごにょしている感じではないので、カスタマイズするベースとしても良さそう。
今まで使ってた Si-Calendar もシンプルでカスタマイズするベースとしては良い感じだった。
両者の違いは SimpleCalendar が標準のカレンダーアプリの用に左右のボタンで月の移動をするタイプ。
一方 TimesSquare は月の移動は上下のスクロールで OK。
楽チンっちゃ楽チンだけど、最初に何ヶ月分のカレンダーを用意するかを指定する必要があったりするので、そこがネックになるような使い方をする場合は Si-Calendar かな。(カスタマイズすれば無限スクロールもできるのかもしれないけど…)
あ、あと TimesSquare の方は Android 用のライブラリも用意されているので、ネイティブで両対応しなければならない場合には良い選択肢になるかも。